「しのぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」……これは、平兼盛が詠んだ、百人一首の片想いの和歌です。
……隠していたつもりだった恋心が、とうとう顔色にまであらわれてしまったようです。「誰かのことを想っているの?」と人に聞かれるほどに……。
誰かを好きになった時に、それが態度にあらわれてしまうというのは、昔も今も変わらないようですね。
ただし、相手を好きになり過ぎて、嫉妬心がわきあがり、その嫉妬心が態度に滲み出てしまったとしたらどうでしょう。
誰かを好きになることは、とてもすてきな気持ちなのに、それを打ち消してしまうような嫉妬の炎が自分の中に芽生えた時、自分の中にこんな醜い感情があったのかと、びっくりしてしまう人も多いのではないでしょうか。
そんな時、自分を責めることなく、うまくその嫉妬心と付き合うことができればいいと思いませんか?
なぜ片思いの相手に嫉妬してしまうの?そのメカニズムとは
そもそも、なぜ嫉妬心は生まれてきてしまうのでしょうか。
まず一つ目の原因は、やはり、相手を好きになり過ぎてしまうから。人を好きになると、「相手のことをもっとよく知りたい」と思うのは当然のことですよね。そして、好きになると、相手の一挙一動が気になってしまい、
「もしかしたら、あの子のことが好きなのかな。」
「私よりも、あの子の方が彼と仲が良さそう。」
「他の誰でもない、私だけを見てほしい!」
などという気持ちが生まれて来てしまいます。
つまり、相手の言動に興味を持ち過ぎた結果、生まれて来てしまうのが嫉妬心なのです。
そして、もう一つの原因は、自分に自信がないから。
「あの子の方がきれい。」
「あの子の方が彼にお似合い。」
「どうせ私なんて……。」
そんな自信のなさからも嫉妬心は生まれて来てしまいます。
そして、嫉妬心を抱く対象は、大きく二種類に分類されます。
まず一つ目は、もちろん片思いの相手に対するもの。片思いの相手に抱く「独占欲求」から起こる嫉妬心ですね。
「独占欲求」とは、自分が好きになった相手を独占したい、自分だけを見てほしいという欲求。
好きな人をただ見ているだけだったのが「監視」になり、そばにいてほしいという気持ちが「束縛」になる……、これこそが嫉妬のもとになるのでしょう。
二つ目の嫉妬心は、片思いのライバルに対するもの。これは、おもに同性に対して抱く「ネガティブな感情」から起こるものです。
この「ネガティブな感情」は、特に自分と立場や境遇が似ている人に感じるもの。
女性同士は、お互いに相手より優位に立ちたいという感情が生まれやすいので、相手が自分より少しでもすぐれていると感じると、嫉妬心が生まれてしまいます。
片思いの場合は、恋心を寄せる相手と、ライバルである同性に対して嫉妬心が生まれるということになるのですね。
片思いで嫉妬してしまう自分がイヤになったときの対処法5選
わきあがる嫉妬心をどうしようもできなくなる……、自分の心の中にあるドロドロした感情をどうしたらいいかわからなくなって、自己嫌悪に陥ることもあると思います。
では、そんなときにはどうすればよいのでしょうか。
1.成功体験を積み重ね、自分に自信を持つ
嫉妬心は劣等感の裏返しとも言えます。仕事でも、趣味でも、何でもいいので、成功体験を積み重ね、自分に自信を持てるようにしていきましょう。
自分に自信を持つことで、自己肯定感が生まれ、劣等感にさいなまれることはなくなるはず。まずは、自分自身を好きになることから始めましょう。
2.他人と比較しない
劣等感が生まれる原因として挙げられるのは、他人との比較。誰かと自分を比べて、できていないところを探すなんて不毛なことは、すぐにやめましょう。
「隣の芝生は青く見える」ということわざがあります。自分にないものを持っている人は、自分より大いにすぐれているように見えてしまいますが、「自分は自分」。
この地球上に一人しかいない自分を大切にしましょう。
3.恋愛以外に夢中になれるものを見つける
趣味や習い事など、夢中になれるものを見つけましょう。今まで、ずっとやってみたかったことに思い切ってチャレンジすることも大事なことです。
夢中になれるものがあると、毎日が楽しくなりますよね。充実した日々は、きっとあなたを内面から輝かせてくれるはず。恋愛よりも大切なものを見つける努力をしましょう。
4.感情をコントロールする力をつける
嫉妬心は、自分に対してだけでなく、他人に対しても悪感情をわかせる原因になりがち。
「どうして私を見てくれないの」、「どうしてあの子の方を向いてしまうの」……時には、自分や他人に攻撃的になってしまうこともあるかもしれません。
でも、そんな醜い感情は、あなたをマイナスの方向に進ませるだけ。負の感情をコントロールできる、客観性を持ちましょう。
5.嫉妬している自分を受け入れる
もしかしたら、これが一番大切なことかもしれません。嫉妬という感情は、誰もが持つもの。嫉妬している自分を素直に受け入れ、認めてあげましょう。
嫉妬している自分を恥ずかしく思ったり、見苦しく感じたりする必要などないのです。嫉妬心を排除しようとせず、共存していけばよいのですね。
その恋、上手くいくかも?可愛くやきもちを伝えてみよう♡
誰かを好きになれば、一緒にやきもちもついてくる……、どうせなら、上手にやきもちをやいて、相手に「大好き」を伝えてみませんか?
1.素直な気持ちを伝えよう
「さびしいな」「かまってほしいな」「会いたいな」、そんな気持ちにフタをせず、相手に素直に伝えてみましょう。
このときに大切なことは、長々と伝えるのではなく、短く、端的に伝えること。色々なことを長々と言い過ぎると、相手はイライラしてしまうものです。
「ここぞ」というときに、可愛く一言! を心がけましょう。
2.愛らしく伝えよう
本来、人間は笑顔に弱いもの。やきもちを伝えるときには、愛らしい笑顔とともに伝えましょう。
怒ったり、強い口調になったりしてしまうと、相手は責められているような気分になり、あなたのことを面倒だとジャッジします。
大切なのは、相手を大好きだという気持ち。可愛らしく、愛らしく、気持ちを伝えるようにしましょう。
3.行動で示してみよう
特に男性は、言葉より行動に弱いもの。言葉にせずに、すねた仕草をしてみたり、ふっと目線を落としてみたり。場合によっては、百の言葉より効果的ですよ。
誰でも「好きになってもらう」のは、うれしいもの。「私だけを見てほしい」、そんな気持ちを、やきもちを上手にやいてみせることで伝えてみましょう。きっと、彼の心をキュンとさせることができるはず!
嫉妬心は誰にでもあるものだから、無理にフタをせず上手に付き合おう
誰かを好きになれば、多かれ少なかれ、嫉妬心は生まれてしまいます。嫉妬すること、それ自体は当たり前のことだと受け入れましょう。
両思いの恋でさえ、嫉妬心は生まれるのですから、片思いなら、なおのこと。
「他の誰も見ないで、私を見て。」という気持ちが生まれるのは当然だと受け入れ、嫉妬心と上手に付き合っていきましょう。
嫉妬するほど、誰かのことを好きになれるなんて、とてもすてきなことだと思えばいいのです。
無理に嫉妬心にフタをしても、自分を苦しめるだけ。明るく、そして可愛らしく嫉妬することで、きっと彼もあなたを意識してくれるはずです。嫉妬心は「大好き」の裏返しだと素直に受け止めることが大切なのですね。
嫉妬も愛情表現の一つ。上手にやきもちをやいて、その恋、成就させましょう!
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